この度、“甲斐内科・漢方内科クリニック“を開業することになりました。
勤務医時代には一般内科、消化器内科、救命救急、地域医療などに従事してまいりましたが、高齢者医療や、完治することが困難な患者さんの診療を行う中で、東洋医学の有用性を知り、さらなる治療の可能性を広げるため、14年前から漢方薬を診療に用いております。
西洋医学と東洋医学では、考え方や治療へのアプローチに違いがあります。
西洋医学は「病気」の原因を細かく究明し、適切な投薬や手術を行う事に優れています。
一方、漢方治療は「証(しょう)」といわれる「ひとりひとりの体質や状態」を重視して診断し、治療を行います。そのため、症状があるのに病因がはっきりせず困っているケースや、病名がついても自分に合う治療法がないといった場合でも、東洋医学では「証」を見極めることで対処することができます。
また、漢方治療は、「心身一如」(心と身体は、お互い影響を与えあう)という考えに基づいており、ストレスが関与した様々な病態の治療を得意としております。例えば、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病において、血圧や血糖、コレステロールの数値を改善させるには、西洋医学が非常に有効ですが、生活習慣病の原因は、日々の、食べ過ぎや過度の飲酒、喫煙などであり、それらの行為の多くは、ストレスの影響を強く受けているといえます。東洋医学では、「気滞」や「肝気欝結」といわれるストレスを誘因とした「証」があり、「イライラ」、「めまい」、「不眠」、「背中の痛み」、「腹が張る」、「便秘」などの症状を呈することが知られております。この「気滞」や「肝気欝結」を治療することで病態とそのもととなっているストレスを緩和し、適切な生活習慣を身につけることが、より本質的な生活習慣病の治療だと考えております。
当院では、「西洋医学」と「漢方治療」の長所を生かし、患者さんひとりひとりの苦しみや悩みに、一緒に向き合う。そんな医療を提供してまいります。
〒730-0051
広島市中区大手町2丁目7-2
Balcom大手町ビル5階
TEL 082-545-7377
FAX 082-545-7388